科学アートデザインの実験 合同シンポジウム

こんにちは。YBIT広報担当の原田です。

先日、久しぶりに渋谷に出かけることになりました。

向かった先は、渋谷ヒカリエで開催された「科学・アート・デザインの実験」

東京工業大学とロンドン芸術大学の合同シンポジウムになります。
image2

image31

きっかけは池上彰氏が出席されるとのことで観覧してまいりました。

シンポジウムの核となるのは、各分野における作業工程の手法、観点、価値観などを共有することが今後の将来に必要であり

それを実験という1つのテーマで共有しようというコンセプトの元、このシンポジウム自体が実験的なものとなっておりました。

入場時は同時通訳のイヤホンを手渡されるのですが、

まず驚いたは、約200人ほどの観覧者が集まり学生も多くいる中で、ほとんどの方が同時通訳イヤホンを持っていないんですね。

テクノロジーの進化で言語の壁はなくなるかも知れませんが、ツールを持たずに相手を理解をするためには英会話能力は今以上に必須になることを痛感しました。

考えてもみれば、利便性の追求による技術的な規格の統一化があれば、言語の統一化も至極合理的なんですよね。

スケジュールは以下のとおり。
13:00 開会式
13:30 セッション1:デザインと産業
15:00 休憩
15:30 セッション2:アートと科学技術
17:00 キーノートセッション
18:00 閉会式

ここでの驚愕の事実は、スケジュールを見て初めて池上彰氏の出席が17:00キーノートセッションと知ったことです。

長い。。

でも、この日のために土曜はいつも一緒に遊んでいる子供二人を保育園に預けてきたので、これから聞き入るものすべてを自分の糧にしなければいけない。

という心構えで開会式から参加いたしました。

セッション1は、建築家、ファッションデザイナー、テキスタイル専門のスピーカーが登壇。

セッション2では、アーティスト、ロボット工学、バイオテクノロジー(粘菌)専門のスピーカー。

最後のキーノートセッションでは、通訳学、分子ロボット、社会学。

形式は各有識者がそれぞれの分野での実験に纏わるプレゼンテーションを発表。

その後、セッションに移るのですがここでも英語が飛び交う。

同時通訳の限界を感じました。。

プレゼンテーションでは、とても面白い内容が目白押しでした。

ひとつは粘菌を実験にした話。

今回、粘菌を初めて知ったのですが、粘菌とは、神経も脳も持たない単細胞生物です。

原始的生物にも拘わらず、知能をもち、学習し、思考することがわかった実験でした。

実験では関東首都圏をモデルした模型を用意して、各主要駅に位置する場所に餌を置きます。

東京駅の位置に粘菌を置いたところ、現在の関東の交通網と似たルートで繁殖したとのことでした。

餌までの最短距離を導き出して繁殖していったのです。

この研究が進めばいずれはバイオテクノロジーとして広く使われていくのではと期待されているようです。

そのほかのプレゼンもとても面白く、弊害があるとすれば英語が理解できなかったというところ。

セッションでは、事前に挙げられていた、

実験の終了の判断とは、実験の回数の定義、実験の成功と失敗とは、などの質問についての討論になります。

質問のうちの一つで、実験が成功したことの判断は。について。

実験の結果には想定通りにならないことを失敗とするのは安直であり、別の結論が付けばそれも成功とのこと。

つまりは、

当初の仮説と離れた結果でも、その結果が有効なものであれば失敗と定義されないことのでした。

それが意味するのは、実験に費やした時間、労力に対して、結果の価値が伴う、もしくはそれ以上のときにその実験は成功といえるのではと考えました。

それは商業的であればあるほど、その関係性は強くなるのではないでしょうか。

技術的カテゴリの実験では、答えに対する法則を導くための実験に対して、

ファッションデザインでは、実験に対する結果が答えになるような気がします。

これを混じり合わせるのは実験と結果のアプローチと合わせて、根本的な考え方を共有することも必要なのでしょうか。

冒頭で記載したように今回のシンポジウムが実験的要素を含んでいる場合、シンポジウムの成功がどういったものかを考えてみると、

参加していた方々が、そこで何を考えて、何を得て、どう活かすかによって、成功が決まるのではないでしょうか。

私の場合は、成功と言えるまでの成果は出せないかも知れませんが、考える要素を頂いたので自分自身少し成功したかなと考えております。

最後に、ある分野で実績を出した人たちの言葉には説得力がありとてもに勉強になりました。

聞きながらも自分なりの答えも常に考えておりました。

あるスピーカーはこうおっしゃっておりました。

実験に対するバイタリティとは常に考えることだと。

日常で当たり前のように見過ごすことでもよく観察して考えることが重要と。

日々生活している中では出会えない一流の人の会話を聞くと、世界の広さを感じると同時に自分の無知を知りました。

皆さんも日々アンテナを張って、分野に囚われずに興味を持ってみては如何でしょうか。

会場を出るころには日も暮れて、座り続けたせいかお尻も痺れておりました。

次はどんなイベントに参加できるのか、どんな話が聞けるのか、期待に胸を躍らせてこれからも面白い場を探していきたいと思います。

image1

SNSでもご購読できます。